JR京浜東北線・蕨駅の改札を抜け、西口を出てほんの数歩。
鼻を突き抜けるあの香り…そう、豚の旨味が凝縮されたスープの匂いだ。
その先に待ち構えるのは、ラーメン好きの間で熱烈に支持されている「豚ラーメン 蕨本店」。
腹が減った? ここに来ればすべて解決する。いや、むしろ“限界まで満たされる”といった方が正しい。
蕨の胃袋を支える砦
「豚ラーメン 蕨本店」が誕生したのは2023年のリニューアル。
以来、この街の学生やサラリーマンの“ガッツリ欲求”を受け止めてきた。
ガツンと来るスープ、極太の麺、分厚いチャーシュー。二郎インスパイアを語る上で欠かせない要素がすべて揃っている。
丼が目の前に置かれた瞬間、脳内でサイレンが鳴り響く。「戦闘開始」の合図だ。
メニュー — 王道も変化球も網羅
メニューはシンプルでいて奥深い。
- 豚らーめん:まずはこれ。並でもボリューム満点。
- 大ラーメン:胃袋と真っ向勝負したい猛者へ。
- つけ麺:濃厚スープに極太麺を豪快に絡ませる快感。
- まぜそば:ニンニクと脂が暴れまわる背徳の一杯。
- 脂そば:シンプルに“麺とアブラ”の旨さを堪能。
- トッピング:味玉、野菜マシ、アブラマシ、豚増し…自由自在にカスタム可能。
価格帯は千円以下が中心。いまや一杯1,200円が当たり前の時代に、この良心的な設定はありがたい。
“コスパの暴力”という言葉がぴったりだ。
味の衝撃 — 豚の旨味に飲み込まれる
スープは乳化した豚骨の濃厚さに加え、ほんのり甘みも感じられる優しい仕上がり。
レンゲをひと口運んだ瞬間、胃袋だけでなく心までもじんわりと満たしてくれる。
麺は極太。ワシワシと噛みしめるたびに小麦の香りが弾け、スープをまとった重量感が舌を支配する。
そしてチャーシュー。分厚く切られた豚肉は箸で持つだけでほろりと崩れ、噛むと肉汁があふれ出す。
“肉を食べる快楽”をこれでもかと味わわせてくれる。
二郎系の“儀式” — コールの瞬間
この店に来たら避けて通れないのが「コール」。
食券を渡したあとに飛んでくる「ニンニク入れますか?」の声。
ここで「ヤサイ」「アブラ」「カラメ」をどうするか宣言する。
慣れない人は緊張するかもしれないが、安心してほしい。店員さんは淡々と受け止めてくれるし、無理に増さなくてもいい。
むしろ、ちょっと控えめにして完食できたときの達成感が最高だ。
店内の雰囲気 — 熱気とスピード
カウンター席が並ぶ店内はシンプルで無駄がない。
回転が速いため、行列ができていても思った以上に早く席につける。
平日は仕事帰りのサラリーマン、休日は学生やグループ客が中心。
最近は「二郎系女子」の姿も目立ち、SNSにラーメンの山をアップする人も増えている。
誰が来ても“腹いっぱい幸せになれる”空気感がここにはある。
閉店の噂は?
ラーメン好きの間で時折ささやかれる「閉店の噂」。
実際のところ、現在も営業は続いている。
ただし二郎インスパイア系の店は臨時休業や営業時間変更が多く、それが「もう閉めたのでは?」と誤解されやすい。
訪れる際は、事前に最新情報をチェックしてから向かうのがおすすめだ。
まとめ — “蕨の豚”を味わえ!
「豚ラーメン 蕨本店」は、単なるラーメン屋を超えた“蕨のソウルフード”。
駅から徒歩1分、千円以下で得られる圧倒的な満腹感、豚の旨味に全身を委ねる幸福。
ここに来れば、ただお腹を満たすだけでなく、“食べたぞ!”という実感が心まで染み渡る。
もし蕨駅で降りることがあれば、迷わず立ち寄ってほしい。
湯気の向こうに現れるのは、まぎれもなく“蕨の豚”。
そしてその一杯は、あなたの記憶に深く刻まれるはずだ。