2025年、世界のマラソン界にひときわ光を放った日本人ランナーがいる。九電工所属の赤﨑暁、27歳。2024年パリオリンピック男子マラソンで6位入賞、日本人トップ、そして男子歴代最高タイの2位という快挙を成し遂げたその姿は、観る者すべての胸を熱くした。フィニッシュ直前に掲げた左拳には、努力と覚悟、そして挑戦のすべてが詰まっていた。
プロフィール
- 名前:赤﨑暁(あかさき あきら)
- 生年月日:1998年1月21日(27歳)
- 出身地:熊本県菊池郡大津町
- 所属:九電工
- 種目:長距離走(5000m、10000m、ハーフ、マラソン)
- 自己ベスト:
- 5000m:13分27秒79
- 10000m:27分43秒84
- ハーフマラソン:1時間01分46秒
- マラソン:2時間06分15秒
熊本の田舎町で育った彼は、中学生時代はバレーボール部に所属していたものの、地元マラソン大会では陸上部の選手を軽々と上回る速さを見せ、将来を予感させた。
学歴と陸上の原点
- 中学:大津町立大津中学校(バレーボール部所属)
- 高校:開新高校(陸上を本格的に開始)
- 大学:拓殖大学(陸上競技部所属)
大学では箱根駅伝に1年生から4年連続出場し、着実に力をつけた。大学4年時には上尾シティハーフマラソンで1時間01分46秒を記録し、大学男子2位(日本人学生トップ)に輝くなど、学生時代から抜群の実力を発揮していた。
経歴と挑戦の軌跡
- 2019年:九電工入社。社会人2年目からマラソンに挑戦
- デビュー戦:別府大分毎日マラソンでサブテン(2時間10分未満)達成
- 福岡国際マラソン:2時間09分01秒、日本人2位。MGCチャレンジ対象レースで挑戦権獲得
- 2023年 MGC:2位(2時間09分06秒)、パリ五輪代表決定
- 2024年 パリ五輪マラソン:30km手前までは先頭集団に付け、最終的に6位入賞(日本人トップ)
デビュー戦から着実に成績を伸ばし、日本トップランナーとしての地位を確立。パリ五輪では、ラスト10kmの過酷な戦いで順位を守り切るその姿は、多くのファンの心をつかんだ。
結婚・家族
2025年6月5日、赤﨑は自身のSNSを通じ、パリ五輪マラソンで同じく6位入賞を果たした鈴木優花(第一生命グループ)との入籍を発表。競技者として共に戦ったパートナーとの結婚は、ファンにも大きな驚きと喜びをもたらした。現時点で子供の情報はないが、これからの家庭と競技の両立にも注目が集まる。
趣味・人物像
赤﨑暁は甘党で「美味しいスイーツ店探し」が趣味という一面も。陸上競技だけでなく、日常の小さな楽しみにも目を輝かせる27歳。学生時代からの努力家ぶりは今も変わらず、大学時代の箱根駅伝から社会人マラソンに至るまで、挑戦を続けるストイックな一面と、親しみやすい人柄が共存している。
圧巻のパリ五輪マラソン
赤﨑のパリ五輪での走りは、精神力と戦略の勝利だった。序盤から安定したペースを刻み、35kmで5位、40kmで2位に浮上。フィニッシュ直前まで粘り、最終的に自己ベスト2時間06分15秒を更新。日本男子歴代最高タイの記録を打ち立てた。
解説者からも「五輪での入賞はフロックではない」と絶賛されるほど、その走りは実力と努力の結晶だった。ゴール後の左拳は、単なる喜びの表現ではなく、「ここまでやってきた自分への証明」でもあった。
未来への挑戦と期待
27歳という脂の乗った年齢で、赤﨑暁の挑戦はまだ始まったばかりだ。日本男子マラソンの歴史に名を刻むだけでなく、世界の舞台でさらなる躍進が期待される。練習、挫折、勝利――そのすべてが彼の物語を形作る。マラソンという果てしない道を駆け抜ける姿は、日本のファンにとって希望と誇りの象徴だ。
赤﨑暁から学ぶこと
赤﨑暁の走りは、スポーツニュースとしての結果だけでは終わらない。努力と覚悟、挑戦の物語として、多くの人々に勇気を与える。競技者としてだけでなく、ひとりの青年としての赤﨑の生き様は、「限界に挑むことの意味」を静かに教えてくれる。
まだ見ぬ未来に向かって走り続ける赤﨑暁――その姿を目に焼き付け、応援せずにはいられない。それが、この日本男子マラソン界の新星の魅力だ。